「余剰資金、どう使う?」という新たな悩み
「ボーナスが出たけど、住宅ローンを減らすべき?それとも投資に回すべき?」
近年、このような相談が増えています。
特に2025年の今は、住宅ローン金利の先行きが不透明でありつつ、投資環境も魅力的という“選択に迷う時代”。どちらが「正解」とは一概に言えませんが、自分たちの考え方や家計事情に合った方を選ぶための視点は持っておくべきです。
この記事では、繰り上げ返済と投資の比較ポイント、2025年の経済動向、家計への影響、判断基準を実例つきで解説します。
それぞれの目的とメリットを知る
■繰り上げ返済の目的
✔︎ローン残高を早く減らす
✔︎総返済額の軽減(利息の節約)
✔︎金利上昇リスクの回避
✔︎精神的な安心感を得る
住宅ローンは長期の借金である以上、繰り上げ返済により支払利息を減らせる効果があります。「将来の不安を減らしたい」「定年までに完済したい」という人にとっては、有効な手段です。
■投資の目的
✔︎お金に働いてもらい資産を増やす
✔︎インフレ対策
✔︎老後資金や教育資金づくり
✔︎ 将来的な収益(複利)の享受
住宅ローンの金利よりも高い利回りが得られる可能性がある場合、資金効率の面では投資が有利になることも。特に長期的な資産形成を目指す家庭では選択肢に入りやすいでしょう。

2025年の住宅ローン金利と投資環境
金利上昇が視野に入る時代
- 2025年現在、住宅ローンの変動金利は0.4~0.6%前後と低水準
- 一方、固定金利(フラット35など)は2.0%台に突入しつつあり、金利上昇傾向が続いています
投資利回りの期待値
- NISA制度の恒久化・拡充により、非課税での長期投資が可能
- インデックス型投資信託(全世界株・S&P500など)の年平均利回りは約3~6%が目安
- ただし、元本保証ではないためリスクは存在
実際いくら得する?数値で見る比較
仮に、300万円の余剰資金をどちらに使うかで検討してみましょう。
内容 | 繰り上げ返済 | 投資 |
---|---|---|
金利 | ローン金利分(例:0.5%)削減 | 年利4%で運用した場合 |
効果 | 利息削減:25万円前後(20年で) | 資産増加:約145万円(20年で複利運用) |
リスク | ほぼゼロ(確実な利息減) | 相場の変動あり、元本割れリスクあり |
メリット | 安心感・ローン早期完済 | お金が増える可能性・老後資産形成 |
数字上は投資が有利に見えますが、リスクを取れるかどうかが最大の判断材料です。

判断のカギは「性格」「年齢」「ライフプラン」
それぞれに向いている人の特徴を見てみましょう。
✔︎繰り上げ返済が向いている人
- ローン残高をできるだけ早く減らしたい
- 安心・安定を最優先に考える
- 金利上昇を強く懸念している
- 教育費など将来の支出に備えてローン負担を軽くしたい
- 退職までに完済したい40代・50代
✔︎投資が向いている人
- 金利よりも高いリターンを目指したい
- 20代~30代の時間的余裕がある層
- NISAなどを活用して資産形成したい
- 繰り上げ返済後の余裕資金が少なくなるのが不安
- 変動金利の恩恵を受けつつ、キャッシュを温存したい
併用もOK!「分けて考える」が新常識
最近では、以下のように両方をバランスよく活用する戦略が注目されています。
✔︎例:余剰資金300万円の使い方
- 150万円は繰り上げ返済(安心確保)
- 150万円はNISAで投資(将来の資産形成)
このように「今の安心」と「未来の成長」をどちらも取りにいく選択肢も現実的です。また、投資は毎月の積立にして無理なく継続し、年1回ペースで繰り上げ返済をする家庭もあります。
AVANTIAなら家計戦略までサポート可能です
AVANTIAでは、住宅ローンの返済計画はもちろん、ライフプランや家計設計にまで踏み込んだご相談が可能です。
✔︎住宅ローンの返済戦略
✔︎金利タイプ・返済方法の見直し提案
✔︎お客様ごとのライフイベント設計と支出予測
✔︎繰り上げ返済のタイミング診断
✔︎投資とのバランスを取った資金計画サポート
金融商品自体は取り扱っていないため、特定の投資勧誘などは一切行わず、中立的な立場でアドバイスしています。
どちらが正解かではなく、“納得できる選択”を
住宅ローンの繰り上げ返済と投資は、どちらも「家計にとって有益な手段」です。重要なのは、“どちらが得か”よりも“どちらが自分に合っているか”を冷静に見極めること。
- 将来の安心を重視するなら繰り上げ返済
- 資産を育てたいなら投資
- バランスをとるなら両立戦略
どの選択肢にもメリット・デメリットがあり、それは家庭ごとの事情によって変わります。だからこそ、住宅購入のタイミングで家計全体を見直すことが、これからの時代にはますます重要です。