注文住宅を建てるとき、
建物の間取りやデザインと同じくらい早めに確認したいのがお金を支払うタイミングです。
建売住宅やマンションでは、完成した住宅の引き渡し時に住宅ローンが実行される流れが一般的ですが、
注文住宅では土地購入から建物完成までの間に、土地代金や着工金、中間金など複数回の支払いが発生します。
そのため、住宅ローンが実行される前にまとまった資金が必要になることがあります。
このときに検討されるのがつなぎ融資です。
つなぎ融資を理解しないまま注文住宅の計画を進めると、
土地は見つかったのに支払い時期に資金が足りない、
建築会社への支払いに間に合わないといった不安につながる可能性があります。
本記事では、つなぎ融資・注文住宅 住宅ローン・土地購入 ローンの検索意図に合わせ、
土地購入から注文住宅完成までのお金の流れと注意点を解説します。
1. つなぎ融資とは何か
つなぎ融資とは、住宅ローンが実行される前に必要となる資金を、一時的に借り入れるための融資です。
注文住宅では、土地を購入してから建物を建てるケースが多くあります。
この場合、建物が完成して引き渡される前に、土地代金や建築費の一部を支払う必要があります。
しかし、住宅ローンは完成した建物の引き渡し時に実行されることが多いため、
その前に必要な支払いには住宅ローンだけでは対応できない場合があります。
そこで、住宅ローン実行までの間をつなぐ目的で利用するのが、つなぎ融資です。
たとえば、次のような支払いに使われることがあります。
- 土地購入代金
- 建築工事の着工金
- 上棟時などの中間金
- 住宅ローン実行までの一時的な資金
住宅金融支援機構のフラット35に関するFAQでも、つなぎローンに係る費用として、
金利や融資手数料などが借入対象となる諸費用の一例に含まれています。
つまり、注文住宅では住宅ローン本体だけでなく、
つなぎローンにかかる費用まで含めて資金計画を考える必要があります。
つなぎ融資は、便利な仕組みである一方、住宅ローンとは別に利息や手数料が発生します。
そのため、いくら借りるかだけでなく、いつ借りて、いつ返すのかまで把握しておくことが大切です。
2. 注文住宅でつなぎ融資が必要になる理由
注文住宅でつなぎ融資が必要になりやすい理由は、
支払いのタイミングが住宅ローンの実行時期より早いことにあります。
土地から探して注文住宅を建てる場合、まず土地を購入し、その後に建築工事を進めます。
土地代金は土地の引き渡し時に支払う必要があり、
建築費も工事の進捗に合わせて複数回に分けて支払うことがあります。
一方、住宅ローンは完成した住宅を担保にして融資されるため、
建物完成後の引き渡し時に実行されるケースが多くなります。
そのため、以下のような時期に資金のズレが生じます。
| 支払い時期 | 主な支払い内容 | 住宅ローンだけで対応しにくい理由 |
|---|---|---|
| 土地契約時 | 手付金 | 自己資金で準備することが多い |
| 土地引き渡し時 | 土地代金の残金 | 建物完成前のため住宅ローン実行前になりやすい |
| 建築請負契約時 | 契約金 | 工事開始前に支払いが必要 |
| 着工時 | 着工金 | 住宅ローン実行前に発生しやすい |
| 上棟時 | 中間金 | 工事途中で支払いが必要 |
| 建物引き渡し時 | 残代金 | 住宅ローンが実行されやすい |
このように、注文住宅では支払いが段階的に発生します。
全国銀行協会では、住宅取得には税金や手数料、保険料などさまざまな諸費用がかかり、
物件価格に対して5〜10%程度となるのが一般的としています。
また、諸費用も含めて物件価格の2〜3割の自己資金を貯めることが目安として紹介されています。
注文住宅では、建物本体価格だけでなく、土地代、諸費用、
つなぎ融資の利息や手数料も含めて考える必要があります。
特に土地購入から建物完成までの期間が長くなるほど、
つなぎ融資を利用する期間も長くなり、利息負担が増える可能性があります。
3. 土地購入から住宅完成までのお金の流れ

注文住宅のお金の流れは、建売住宅よりも複雑になりやすいものです。
流れを理解するためには、土地購入と建物建築を分けて考えるとわかりやすくなります。
まず、土地を購入する段階では、売買契約時に手付金を支払い、
土地の引き渡し時に残代金を支払うのが一般的です。
手付金は自己資金で準備するケースが多く、
土地残代金についてはつなぎ融資や土地先行融資を検討することがあります。
次に、建物の建築では、建築請負契約時、着工時、上棟時、
完成引き渡し時などに分けて支払うケースがあります。
支払い回数や割合は建築会社によって異なるため、契約前に必ず確認しましょう。
たとえば、土地代2,000万円、建物代2,500万円、諸費用300万円の計画で考えると、
完成時に4,800万円を一括で用意すればよいわけではありません。
土地の引き渡し時点で土地代金の多くが必要になり、建物完成前にも建築費の一部を支払う必要があります。
お金の流れを整理すると、以下のようになります。
- 土地契約時に手付金を支払う
- 土地引き渡し時に土地代金の残金を支払う
- 建築請負契約時に契約金を支払う
- 着工時に着工金を支払う
- 上棟時に中間金を支払う
- 建物完成時に住宅ローンを実行し、残代金やつなぎ融資を精算する
住宅金融支援機構のフラット35のFAQでは、住宅を建設する場合、請負契約書に記載のある請負金額や、
外構工事、設計費用、工事監理費用、地盤調査、地盤改良、登記費用、火災保険料など、
一定の条件で借入対象となる費用が示されています。
つまり、注文住宅では、建物代だけでなく、
建築に関連する費用をどこまで住宅ローンに含めるかも確認が必要です。
資金計画では、総額だけでなく、いつ・誰に・いくら支払うのかを時系列で整理しておきましょう。
4. つなぎ融資と土地先行融資の違い
土地購入から注文住宅を建てる場合、つなぎ融資のほかに、土地先行融資という方法を聞くこともあります。
どちらも土地購入や建築前の支払いに関係する融資ですが、仕組みが異なります。
つなぎ融資は、住宅ローンが実行されるまでの短期間に必要な資金を一時的に借りる方法です。
建物完成後に住宅ローンが実行されたタイミングで、つなぎ融資の元金を一括返済する流れが一般的です。
一方、土地先行融資は、住宅ローンの一部として、先に土地代金分の融資を受ける方法です。
金融機関によっては、土地分と建物分を分けて実行する形になります。
違いを整理すると、次のようになります。
| 比較項目 | つなぎ融資 | 土地先行融資 |
|---|---|---|
| 目的 | 住宅ローン実行前の一時的な資金を用意する | 土地代金を先に住宅ローンとして借りる |
| 返済方法 | 住宅ローン実行時に一括返済することが多い | 土地分の返済が先に始まる場合がある |
| 利息 | 利用期間中の利息が発生する | 住宅ローン金利に準じる場合がある |
| 対象 | 土地代、着工金、中間金など | 主に土地代金 |
| 取扱い | 金融機関によって異なる | 金融機関によって異なる |
どちらが向いているかは、土地代金、建築費、自己資金、
建物完成までの期間、利用する金融機関によって変わります。
つなぎ融資は短期間の利用ですが、住宅ローンより金利が高めに設定されることがあります。
土地先行融資は、土地代金を先に借りられる一方、土地取得後から返済が始まる場合があり、
建物完成前の家賃とローン返済が重なる可能性があります。
どちらを選ぶ場合でも、重要なのは支払い時期と返済開始時期を確認することです。
土地を早く押さえたい場合でも、建物計画や住宅ローン審査が十分に進んでいないと、
資金計画が不安定になることがあります。
5. つなぎ融資でかかる費用と注意点

つなぎ融資を利用するときは、借りた金額だけでなく、利息や手数料も確認する必要があります。
つなぎ融資は短期間の融資ですが、土地代金や建築費の一部など大きな金額を借りることが多いため、
数か月の利用でも負担が小さくない場合があります。
主な費用は以下のとおりです。
- つなぎ融資の利息
- 融資手数料
- 印紙代
- 振込手数料
- 事務手続きに関する費用
住宅金融支援機構のフラット35のFAQでも、つなぎローンに係る費用として、
金利や融資手数料などが借入対象となる諸費用に含まれる例が示されています。
利息は、借入金額、金利、借入期間によって変わります。
たとえば、2,000万円を年3%で6か月借りる場合、単純計算では利息は約30万円です。
実際には日割り計算や手数料、融資実行の回数によって負担が変わるため、
金融機関に具体的な試算を依頼しましょう。
また、つなぎ融資は金融機関によって取扱いが異なります。
住宅ローンを申し込む金融機関がつなぎ融資に対応していない場合、
別の資金調達方法を検討する必要があります。
注意したいのは、つなぎ融資を使えば必ず希望通りに資金計画が組めるわけではないことです。
以下のような点は、事前に確認しておきましょう。
- つなぎ融資を取り扱っている金融機関か
- 融資可能額はいくらまでか
- 融資実行のタイミングは支払い日に間に合うか
- 着工金や中間金にも使えるか
- 利息の支払い方法はどうなるか
- 住宅ローン本審査の承認が前提か
- 建築スケジュールが遅れた場合の対応
建築工事は、天候や資材納期、確認申請などの影響で予定が変わることがあります。
工期が延びると、つなぎ融資の利用期間も長くなり、利息が増える可能性があります。
資金計画には余裕を持たせることが大切です。
6. 注文住宅で資金計画を立てるポイント
注文住宅では、建物の仕様や間取りを決める前に、資金計画の全体像を整理しておくことが重要です。
建物本体価格だけを見て予算を組むと、土地代、外構費、地盤改良費、諸費用、
つなぎ融資費用などが後から増え、想定より総額が大きくなることがあります。
全国銀行協会は、住宅ローンを比較するときには、単に返済額だけでなく、
諸費用の負担も考慮したトータルの支払額で比較検討することが大切だとしています。
注文住宅では、以下の項目を一覧にしておくと、資金の抜け漏れを防ぎやすくなります。
| 項目 | 確認したい内容 |
|---|---|
| 土地代金 | 手付金、残代金、仲介手数料 |
| 建築費 | 契約金、着工金、中間金、残代金 |
| 付帯工事費 | 地盤改良、外構、水道引込、解体など |
| 諸費用 | 登記費用、火災保険料、印紙代、融資手数料 |
| つなぎ融資費用 | 利息、手数料、利用期間 |
| 入居後費用 | 引越し、家具、家電、固定資産税など |
また、自己資金をどこに使うかも大切です。
土地契約時の手付金や建築請負契約時の契約金は、自己資金で支払うことが多いため、
すべてを頭金として使ってしまうと、後の支払いに困る可能性があります。
注文住宅では、自己資金を以下のように分けて考えると安心です。
- 契約時に使う資金
- 諸費用に使う資金
- つなぎ融資の利息や手数料に備える資金
- 入居後の生活費として残す資金
特に子育て世帯では、引っ越し後も教育費や車の維持費、家具家電の購入費がかかります。
住宅購入時に資金を使い切るのではなく、生活の余白を残すことが大切です。
7. 住宅購入は完成前のお金の流れまで考える時代へ
これからの注文住宅では、建物完成後の住宅ローン返済だけでなく、
完成前のお金の流れまで考えておくことが重要です。
以前は、住宅ローンの月々の返済額や金利を中心に比較する方が多くいました。
しかし、土地から注文住宅を建てる場合は、住宅ローンが始まる前にも大きな支払いが発生します。
そのため、住宅購入では次のような視点が求められます。
- 土地代金をいつ支払うか
- 建築費は何回に分けて支払うか
- 自己資金をどのタイミングで使うか
- つなぎ融資が必要か
- 利息や手数料はいくらか
- 建物完成が遅れた場合に対応できるか
特に、土地探しから始める注文住宅では、よい土地が見つかったときに素早く判断できる資金計画が必要です。
土地の条件がよくても、つなぎ融資や土地先行融資の準備ができていなければ、
契約に進みにくい場合があります。
一方で、焦って土地を購入すると、建物予算が不足したり、
外構や諸費用を削らざるを得なくなったりすることもあります。
注文住宅では、土地と建物を別々に考えるのではなく、総額と支払い時期をセットで考えることが大切です。
住宅ローンは完成後の返済計画、つなぎ融資は完成前の支払い計画を支えるものです。
どちらも家づくりに欠かせないお金の仕組みとして、早い段階から確認しておきましょう。
まとめ:つなぎ融資は注文住宅の支払い時期を支える仕組み
つなぎ融資とは、住宅ローンが実行される前に必要となる土地代金や着工金、
中間金などを一時的に借り入れるための融資です。
注文住宅では、土地購入から建物完成までの間に複数回の支払いが発生するため、
住宅ローンだけでは支払い時期に対応できない場合があります。
特に確認したいのは、次の点です。
- 土地代金の支払い時期
- 建築費の支払い回数と金額
- 住宅ローンの実行時期
- つなぎ融資の利用期間
- 利息や手数料の負担
- 建築スケジュールが延びた場合の対応
全国銀行協会が示すように、住宅取得では税金や手数料、保険料などの諸費用がかかり、
住宅ローンはトータルの支払額で比較することが大切です。注文住宅では、
これに加えてつなぎ融資の費用も資金計画に入れておく必要があります。
また、フラット35のFAQでは、
つなぎローンに係る金利や融資手数料なども借入対象となる諸費用の例として示されています。
土地探しから注文住宅を進める場合は、建物の完成後だけでなく、
完成前のお金の流れまで整理しておきましょう。
AVANTIAなら、土地購入から注文住宅完成までの資金計画をサポートします
AVANTIAでは、土地探しから注文住宅の建築まで、
住まいづくり全体を見据えた資金計画をサポートしています。
・土地購入時の支払いタイミングの確認
・つなぎ融資や住宅ローンの流れの整理
・建築費、諸費用、入居後費用まで含めた資金計画
注文住宅は、建物を決める楽しさがある一方で、お金の流れが複雑になりやすい住まい方です。
土地購入から建物完成まで、いつ・いくら必要になるのかを一緒に整理しながら、
ご家族に合った無理のない家づくりを進めていきましょう。


